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数学を教えるために しゃべり編 自分の世界に生徒を引き込むテクニック

 ↓ あとでじっくり読むときに便利

先日も一度掲載した「しゃべり編」
もっと具体的に! というお声もありましたので、
細分化して、数回に分けてそのコツを記載したく思います。

 

今回は、授業を自分のものにできているかです。

 

先日、授業は教科書「で」教える という内容で、ブログには記載しました。

数学を教えるために 脚本編 教科書「で」教えること ~自分の心からの言葉が子どもを動かす~ - "教えたい" 人のための「数学講座」

教科書「で」教えるためには、
授業を完全に自分の体の一部になっているかのように、
自分のものにしておかなければなりません。

 

授業でのしゃべりも同じことだと考えます。
準備を通して、完全に自分のものに、
そして自分の言葉で語りかけることが必要です。

 

そのために必要なことやテクニックを、記載していきます。

 

幹を作って脚色

授業の脚本を考えるときには、その日の授業のポイントを考えます。
大きな柱が1つと柱が2つ。
1回の授業でポイントは3つ程度が、
生徒にとって(社会人の学習でもそうですが)よいとされています。

 

その柱が決まった段階で、しゃべりによる脚色をしていきます。
ポイントは大きな声ではっきり説明するのか、
逆に、ちょっとトーンを抑えて、生徒の耳を引きつけるのか、など…

 

また、例題の解説では、具体的なエピソードに置き換えることができないか、
そのような小ネタは散らばっていないか、考えていきます。

 

私が実際に使ったネタですが…
【例題】
縦5cm、横16cmの四角形を動点pが1秒間に3cm、動点qが1秒間に1㎝動きます。
それそれが対角線上の角から時計回りに出発しました。
pとqは何秒後に一緒になりますか。

 

1次方程式で登場する、それほど難しい問題ではありませんが、
淡々と状況を説明するだけではなく、具体的なシチュエーションをしゃべりによってイメージさせると印象に残るものです。


「qさんは女性でかくれんぼが大好き。男性のpさんはそれを追いかけます。
 『追いかけてごらん、きゃはは。』『まてー。つかまるよー』と砂浜を走る2人」
なーんてことを言ってみると、生徒の興味はぐぐっと引きつけられていきます
若干脱線してしまい、本題に戻すのに大変なこともありましたが…(笑)


亀きち個人では、この手の問題を「砂浜追いかけっこ問題」と呼んでいます(笑)

…声色を変えながら、自分を捨てたものです(笑)

 

落語の効用

これについては以前も記したことがありますが、
私は、通勤時には落語を聞く習慣があります。

 

特段、最初から落語に興味があったというわけではありません。
落語はPodcastから聞き始めたのですが、
聴いていると、授業のしゃべりに活かせる!
頭の中でピコーンと閃きました。

 

落語は、聞けば聞くほど、話に無駄がありません
「あー」とか「えー」という間を挟んで考える言葉がない。
ストーリーが緻密に描写され、登場人物が生き生きと動き回る。

 

数学の授業で、
登場人物というのは難しいかもしれませんが、ストーリーは毎時間立てますよね。
そのストーリーを落語の流れのように、
もしくは例題だけでも落語の流れのように説明するのです。


1度聞いただけでは、そのコツはつかめないかもしれません。
何度も聞いているうちに、そのコツや抑揚が何となく分かり
授業に取り入れると、生徒の引きつきが一気に変わります

 

もちろん、台本を見ながらしゃべることはできません
生徒の目を見ながらしゃべることができるので、一石二鳥かもしれませんね。

 

ライブ力 生徒が理解しやすいように都度変化させるしゃべり

授業はもちろんライブで行うもの。
しゃべっていると、
ときどき自分が浮いているなー 
と感じてしまうこともありますよね…(;'∀')
私も1度や2度ではありません。。。

 

そういうときには、しゃべりながら生徒の目を見るようにしています。


生徒の目を見て、理解度が低いかなと判断すれば、
同じことを2回説明したり、わざとゆっくりにしたり。
逆に分かりきっているなと判断したら、
少し早く話をしたり、+αの知識(あらかじめ準備しておきます)を伝えたり。

 

生徒の反応はとても敏感で、非常に分かりやすいもの。
教える側のしゃべりが、その反応の理由であることもしばしば。

 

ですので、常に生徒の反応や目を意識しながらしゃべると、
イムリーに変化させながらしゃべることができるものです。

 

変化させることで、生徒の反応や理解度を変化させたり、
興味をより引くことができるのではないでしょうか。

 

最後に

3点書きましたが、
いずれもポイントになるのは「授業が自分のものにできていること」です。
できているからこそ、変化をつけることができるのです。

 

自分のものにできていないと、一辺倒にしゃべって終わりになりますよね?
変化球を投げたり、反応を打ち分けたりできないですよね?

 

しゃべりについては最初は時間がかかるかもしれません。
が、台本が書ければなるべくしゃべりも意識して、
生徒の印象に残る授業までもっていきたいところです


…ちなみに、亀きちは、
「生徒が生徒に教えるときに、自分の授業のフレーズを使ってもらう」
これを目標にしていました。

「これって、授業のとき亀きちが『砂浜で追いかけっこ』って言ってたじゃん?」
なーんて言ってもらえると、教えた甲斐もあったし、
授業が印象に残っているという証拠ですよね

 

今日もいい授業していきましょう。