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数学を教えるために 脚本編 教科書「で」教えること ~自分の心からの言葉が子どもを動かす~

 ↓ あとでじっくり読むときに便利

数学を教えるときに、教科書を見ながら教える先生や大人。
せんせ「ここにこう書いてあるじゃん?この流れで解けばいいよ!」
せーと「こう書いてある、その流れがしっくりこないんですけど…」

 

教科書をそのまま授業するとき、自分のものにできていない場合、
生徒をより分かりにくくしたり、
ん?( ,,`・ω・´)ンンン? という表情をされたりします。

 

これは、教える際に何を伝えればいいのかがぼやけている証拠です。


今回のそういう視点から、教科書「で」教えることに焦点を絞って記載したく思います。

 

教科書は教えるための「媒体」にすぎない

元来、教科書というものはあってもなくても授業は成立するものです。


数学なんて、教科書がなくても、極論を言えばノートがなくても、
地面と枝さえあれば、そこからいろいろなことを伝えることができます

 

教科書が魔法の本のように思っている、
そういう勘違いをされている先生もいらっしゃるのではないかと…

 

確かに教科書は教え方を系列ごとに分かりやすくまとめている、
指導する際には最重要視する本に間違いはありません。
しかし、教科書の内容を書いてある通りそのまま伝えるのでは、
生徒には、冗長に聞こえてしまい、内容が今一つ伝わらないのです。

 

「つまらない授業」の代表例がこれなのではないかと。

 

授業や問題を教える際には、伝えたいことや大切なことが必ず1つは隠されており、
それを気づかせたり、定着をさせるために様々な手法を凝らして考えていくものです。

 

その中で、教科書を効果的に取り出して使い、
例題や練習問題を解かせ、知識を定着させる。

 

それが教科書の本来の使い方ではないかと思います。

 

これは、先生に限ったことではなく、
子どもに質問された大人の方も、それぞれの問題のポイントを見抜き、
見抜くに至った経緯を、子どもに伝えることができれば、
子どもの理解度はぐっと高まることと思います。

 

親としての威厳も、ぐーんとUPしますね (笑)

 

自分の言葉にできていますか

授業をするときに大切なポイントの1つですね。
「自分の言葉にして、伝えることができているか」

 

授業準備が不十分な先生は、しゃべりがどこかたどたどしい。。。
教科書や生徒に振り回されているって感じがします。

 

その原因は授業内容が頭の中に入ってないから。
さらに言うなれば、「授業内容を自分のものにできてないから」

 

心の中にまで染みついていれば、
生徒の反応を見ながら、臨機応変に言葉をチョイスしながら、
流暢な授業ができるようになるものです。

 

この辺りは、ベテランの先生方はさすがですよね。
亀きち自身、大学生の頃に塾講師を始めて、
この感覚が身についたのは、半年経った頃からです。

 

台本がきちんと書けていて、しゃべりも流暢。
気づけば生徒がみんなこちらを向いて、メモを取っているんです。
見学に来ていた他の講師の先生もびっくり。
「亀きちさん、こんなに授業が上手くなっていたんですね…」 (笑)

 

自分でも振り返ると、やはり脚本が上手くかけていて、
それを自分の言葉で伝えて、テキストにその思いを乗せていくということができていたんです。
その授業準備には5時間近くかかっていましたが、
そのおかげで1つ壁を越えたんだなと実感できた瞬間でした。

 

子ども同士が教えあうとき、このポイントをつかむのが実に上手。
自分の言葉で、うまく例えながら教えているものです。

子どもの例え方の発想には驚かされることが多いです。
柔らかい頭、羨ましい… ( *´艸`)

 

後で教科書やノートを「母艦」にするために

授業が自分の言葉で伝えることができるようになれば、
ぜひ、授業後のことを念頭に置いた脚本を意識すれば、より生徒の理解度がUPします。

 

私が心がけていたことは、
「母艦」を作ること。
生徒によっては、教科書だったりノートだったりするわけですが、
「何度も見返したくなるものを作ること」
それをする仕掛けを台本の中にしかけます。

 

大事なことを書き込ませるように仕向けるのです。

 

私の授業の流れとして、
板書をとる→その説明をする
このときに、必ずペンや鉛筆を持たせます。
そして、こう伝えます。
「必要と思ったり、お得な情報と思ったりしたら、メモを取ること」

生徒は自分なりに大切と思うことを書き込み始めるのです。

 

また、板書に書かずに、あえて「言葉のみ」で伝えることもあります
あえてそれを脚本の中に仕込みます。
…最初のうちは、そのタネ明かしもしますが。

 

そうすることにより、
聴き漏らしたくないという心理から、生徒の集中力も上がりますし、
後で見返したくなる教科書やノートが完成するわけです。

 

授業脚本の中に、そこまで仕込む余裕ができれば、もう数学教員マスターですね。

 

 

最後に

脚本は自分のための台本ですが、
主役はもちろん生徒。
生徒に理解をしてもらうのが一番の目的となります。

 

そのために、何をすべきか、どのように脚本の中に仕込んでいくか
それを意識しながら脚本書きを意識してもらえれば、きっといい授業にたどりつけるかと思います。

 

まさに「教科書『で』教える授業」

日々、このことを心にとめながら教壇に立ち続けていた亀きちなのでした。