"教えたい" 人のための「数学講座」

「数学を教えられるようになりたい、楽しさを伝えたい」そう思うあなたのために、教え方や勉強法・やる気の出し方など、ノウハウのすべてを紹介!20年教壇に立ってきた視点、および会社員の視点から、生涯学習にも役立つ話題が満載です。

MENU

生徒への「宿題0」は、教員への「究極の宿題」

 

これまで4回にわたって、
亀きちが取り組んできた、
生徒への課題の出し方と、その効果についてまとめました。

 

日々の課題

数学の効果的な課題の出し方・取り組み方(日々編) - "教えたい" 人のための「数学講座」


週末課題

数学の効果的な課題の出し方(週末編 基礎+応用+心のケア) - "教えたい" 人のための「数学講座」

 

長期休業中課題(全2回)

数学の効果的な課題の出し方(週末編 基礎+応用+心のケア) - "教えたい" 人のための「数学講座」

さらに生徒のやる気を引き出す 数学の課題の出し方(長期休業編2) - "教えたい" 人のための「数学講座」

 

ここまで読んでこられた方は、
亀きちというやつは、鬼か!
と、お思いになったかもしれませんよね。

 

実際に、ブックマークのコメントでは、
そのような記載をされてもいます。

 

しかし、亀きちが考える生徒の宿題、
究極の姿は真逆です。

「宿題がない」
授業です。

 

そのことについて、亀きちの私見を記載します。
固い話題となりますが、お付き合いください。

 

 

同じ課題の出し方では 将来通用しない

 

これまで4回にわたって掲載してきた、
亀きちが提唱している課題についてですが、

中高全学年に携わってきた私からすると、
全学年に、共通でお勧めできるものではありません。

 

ここまでの記事の内容を活かしていくのは
丁寧にするのは、中1~高2の途中あたりまでが限界かと。

 

少し考察していきます。

f:id:math-kame:20191106064347j:plain

数学はコストパフォーマンスが悪い教科の代表

 

数学という科目は、勉強してもなかなか成績に結びつきにくい教科です。
やったとしても、それがすぐにテストの点数に直結するわけではない。
数字が変わると、途端に難易度が変わるし、
ちょっと設定を変えただけで、問題の見え方も変わる。

 

積み重ねの教科といわれる数学、
苦手な場合は、2学年前からの復習を念頭に進める必要があるくらいの科目です。

 

ですので、大学受験までを見据えた場合、
中学3年間~高校1年までの勉強が、
ものすごく大切になります。

 

正直、高校に入ってから飛躍的に数学を伸ばすということは至難の業です。

 

中学の間に
・圧倒的な計算力
・図形をいろいろな角度から見渡してイメージする力
を鍛えておくことが飛躍への近道です。

 

高校に入ると、ここに割く時間がなかなかとれなくなります。
余裕のある中学の間がおススメです。

 

中高一貫校では、そのあたりを念頭に入れており、
中1~中3にある程度の先取り学習を行っていると思います。

 

一般中学でも、十分に取り組むことは可能です。
なるべく先取りの学習を進めておいてください。

 

私がここまできめ細やかにやってきた課題(記事4回分)は、
対象は、中学1年~高校2年の夏あたりまでかと思います。

 

 

怖いのは「宿題くれくれ症候群」

 

高2の秋頃を過ぎても、宿題を毎日のように課していると、
「宿題くれくれ症候群」(勝手に名付けてます)
にかかってしまう生徒が出現してしまうのです。

 

先生に頼らないと勉強ができない、
自分で勉強のコントロールができない、
そんな生徒が、大学入試という大きな壁を越えていくのは大変です。

 

教員もずっとはコントロールし続けることはできませんし、
社会へと巣立ってからでも、そのスタンスでは、
社会人としてもやっていくことは、厳しいですよね。

 

極端な場合は、大学入試直前まで、
宿題を教員に求めてしまいます。

 

それでは、ひねった入試問題には対応できませんし、
社会の中でも課題に対して、臨機応変に対応をとることは難しくなります。

 

 

目的は社会人になってからの生涯学習

 

私も民間企業で働きだしてから痛感していますが、
勉強は「自分でするもの」です。
誰かから与えられてするものではありません。

 

自分から目標をもって
自分でペースを作って取り組む。

その姿勢を、学生時代に身に着けてほしいと考えています。

 

勉強法なんて、誰も教えてくれないと思っておいた方がよいでしょう。
でも、社会では結果をすぐに求められます。

 

学校の教員の方がそこまで分かっているというのは、
正直定かではありませんし、それほど多くないのかもしれません。

 

エリートの方が教員になっている場合も多いですし、
学校という場所しか経験したことのない方もいますから。

 

宿題を与え続けることに、
ある種の快感を持っている先生もいますが、
それも間違い。

 

すべては、社会に出た時に、
自分で課題を見つけ
自分で計画を立てて、実行する

メンタルコントロールも自分でする
そのような人材を社会の中では、必要としています。

 

 

じゃあ、学校で何を教えておけばいいの?

 

そこで、私が取り組んできたことについてです。

ここにきて、これまでのタネを明かしますが、
すべては、
「自分で計画を立てて自立した勉強ができる生徒」
を育てるためです。

 

 

高2秋(遅くても高3はじめまでに行っておくこと)

 

短期的にみるのではなく、
自立・自律できるようになることを目標として、
長期的にどっしりと構えます。

 

そこまで見据えて、最初はきめの細かい学習を
逐一レールを敷いて説明していくのです。

 

ノートの取り方、課題の進め方、
やる気の持続方法、困ったときの解決方法
それを高2の夏までに、生徒に心から理解をしてもらう

 

中学生には、日々の課題や週末課題で勉強のリズムを立てます。
長期課題では、やる気に応じての課題も与えます。
高校も1年生、2年生まではそのやり方でいいと思います。

 

ただし、学年が上がるにつれて、徐々にこちらが一方的に与える課題と、
自由課題とのバランスは配合を変えていきます。

 

高2の夏では、与える課題5:自由課題5
が目安かなと思っています。

 

 

高2秋(高3はじめ)から究極を試してみる

 

「究極の追求」はこの時期からです。

 

理想は課題を与えないこと。
そしてテストのみを行います。
まずは毎週、慣れてくれば月1でテストとその範囲のみを設定し、
生徒にはそれに向かって勉強をしてもらいます。

 

勉強内容や振り返りはしっかりと書いて考察してもらいます。
PDCAサイクルもしっかりと教えます。

 

ちなみに、中学の初めから課題を与えない、
ということはおすすめできません。
生徒の精神発達段階からすると、
安易な方向へ流れやすい、中1から完全に手放すのは傲慢です。

 

教員の仕事は「計画コンサルタント

 

教員がすることは、計画に対するアドバイスです。
会社と同様
・長期計画(1年間の学習)
・中期計画(学期や月の学習計画)
・短期計画(1週間の学習計画)
を生徒に考えてもらい、その管理を教員が行うのです。

 

宿題チェックの代わりに、
短期計画を日々チェックしてもいいでしょうし、
週末課題チェックの代わりに、
中期計画の進捗確認をしてもいいでしょう。

 

問題がある場合には、
その都度アドバイスを加えていきます。
おすすめのレベルの問題集や、
取り組む内容も書き加えていきます。

 

生徒が安心して、やる気を持続させながら勉強できるよう、
教員は与える側から、完全にサポートする立場へと移行するイメージです。

 

 

日頃から社会人の厳しさを話しておこう

 

社会に出れば、仕事はある程度教えてもらったとしても、
勉強は教えてもらえませんし、
結果のみを求められます。
途中のプロセスはほとんど関係ありません。

 

短時間で結論を予測し、努力し、結果を出す。
このサイクルが絶えず求められます。

 

生徒が自主的に勉強に取り組むにはどうすればいいのか。

生徒のやる気と
数学を好きでいること
考えることが好きでいることです。

 

この話題を、中1の段階からずっと話して、育て続けるのです。
そして、徐々に宿題という縛りから解放していくのです。

 

そのためにも、逐一授業の中で、普段から話しておくことが必要です。
私は、社会に出てみなさんが勉強というもので困らないように、
勉強法も、メンタルコントロール法も教えているんだと。

 

私は塾の講師をしていた頃から、次の言葉を生徒に投げかけています。
中学時代は、教員が生徒を引っ張り上げる
高校時代は、教員は走る生徒の背中を押してあげる

 

大学受験を控えた生徒や社会人は、
その背中を押すことすら自分でコントロールする必要があります。
困ったときの窓口として、シェルターとして、
教員は必要になってくるのではないでしょうか。

 

決して楽になるのではない、
これまできちんと取り組んできた生徒ならば、
この教員の想いは分かってくれると思います。

 

 

生徒が勉強法を討議するHRを設定

 

自分で学習するその方法がわからない
という生徒が出てくることは十分に考えられます。

 

そこで、生徒が勉強法について協議・発表するような
授業やHRを持つのはいかがでしょうか。

 

各自の勉強法を話し合い、各自で発表
みんなの取り組みを、1冊の冊子にしてもいいかもしれませんね。

 

あの人はこんな勉強をしているんだ。
そう思うと、刺激になることも多いと思います。
これが集団で学習するメリットですよね。

 

私は中1を担当していた頃に、
試しに勉強法の話し合いをさせたことがあるのですが、
中1でも生徒によっては、出てきますよ。
自分なりのスイッチの入れ方や、
眠気覚ましの方法を持っている生徒もいました。

 

やっぱり同じ目線の生徒の声というのは、
他の生徒にもかなり響きますね。

 

 

まとめ 生涯学習へつなぐために

 


ここまで課題について話をしてきました。
いかが思われたでしょうか。

 

宿題を課すことについてのゴール地点は、
卒業でも大学受験でもなく、
「社会人」「生涯学習

 

そこにたどりつくためには、
どのような気持ちで、日々取り組めばいいのか
どのような学習方法を、身につければいいのか

 

子どもたちにその道筋を、
できるだけ早いうちから、引いてあげることのできる
そんな教員が増えればいいなと願っています。

 

私にも子どもがいますが、
年代とともに、親子の距離感は変わっていきます。
その距離感を常に感じながら、
勉強の中にも落とし込んでいきたい、
そう思って日々過ごしています。

 

生徒との距離感と発達段階と課題の出し方、
生徒1人1人をみつめ、
「社会に出て、自立・自律した学習ができる」
これを念頭に置いて、課題設定をしてみてはいかがでしょうか。

 

宿題0、実現は可能ですし、
実践している学校も存在します。

 

そのような知的好奇心にあふれた子どもが増えてほしいですね。

 


【試してみよう】
・学年や状況によって、必須課題と自由課題の比率を調整しよう
・高2までとそこからでは、教員の立場は変わってくる
・究極の宿題0 そのために必要な手立てを考えてみよう

 

 

亀きちのブログが、電子書籍に。いつでもどこでも数学を楽しく!第1巻・第2巻ともに発売中!

 

 

読者になって、リアルタイムでためになる記事を受け取りませんか?読者登録はこちらから  

ご質問・ご感想・ご要望等お気軽にお問い合わせください。

 また、「気になる」「もう一度読み返したい」記事には
↓↓「ブックマーク」もどしどしお願いします