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さらに生徒のやる気を引き出す 数学の課題の出し方(長期休業編2)

 ↓ あとでじっくり読むときに便利

今回は、昨日配信した「長期休業中課題1」の続編です。
前記事は、大変多くの方にご覧いただきました。

 

本当にありがとうございます。

 

ご意見もいただいております。
そちらにつきましては、後日お答えしようと思います。

  

長期休業中は、下の①~③の課題を出しており、
前回は①についてお話をしました。

 

【課題のベース】
① 毎日決まった時間に取り組み、継続的にやってくれる
【+αで考えること】
② さらに意欲のある生徒は、どんどん高いレベルに取り組んでくれる
③ 生徒のアウトプットを意識した課題を用意する

 

今回は、②と③についてお話したく思います。

 

 

 

意欲のある人はさらに伸びていく ハイレベル問題集

 

通常の全員が行う通常の問題集は、
前回お話しした通りです。

それでは、物足りないという、
やる気にあふれた生徒も出てきます。


そういった生徒のために、
別冊でハイレベル問題集を作成しています。

 

【ハイレベル問題集の概要】
・対象は希望者
・事前に希望を聞き、完全受注生産
・提出する、しないは生徒任意
・問題数は10問程度
・内容:中学生は高校入試 高校生は大学入試の内容に準ずる
・1問当たりの想定時間…1時間

 

問題は様々な入試問題から、
良問といわれるものを採用し、
1問につき白紙を1ページ使って、
ゆったりと回答ができるようにしています。

 

全問解く必要は、ありません。
提出についても、してもしなくてもかまいません。
最初に希望者を募り、その生徒のみに渡します。

 

全員に配る問題集とは、色を変えています
色が違うことにより、
配られた生徒は、優越感に浸ることができます。(笑)

 

提出されたら、
理解度をチェックし、教員からのコメントを書き、返却します。

 

そして、後日「質問教室」という形で、
放課後に、特別に場所と時間を設けます。
自由参加です。

 

質問がある生徒は、どんどん参加してきます。
これをすることにより、
意欲の高い生徒は、さらに満足度が増し、
上を目指してくれるようになります。

 

「やれ」というような、強制はしません。
意欲的に取り組む生徒の背中を押す
そのようなイメージの課題です。

 

 

生徒の独創力・創造力を高める 自由課題

 

③として、
ある程度、生徒に裁量権を任せる宿題を出しています。
それが「自由課題」です。

 

過去取り組んだ例を紹介します。

 

 

 正八面体、正十二面体、正二十面体の作成

 

 【概要】

・正八面体、正十二面体、正二十面体の展開図から最低1つを選択。
・それを厚紙に複写し、模型を作成。
・冬休みの課題として与え、提出。
・3学期の授業で使うことを伝える。
・うまくできている作品はみんなの手に取ってもらって、補助教材として使うことを伝える

【反応】
反応は、両極端に分かれました
やっつけ的な感じで、ちゃちゃっと済ませる生徒。
マスキングテープや色鉛筆まで使って、丁寧にデザインをする生徒。

がんばりの見える作品は、
みんなの前で紹介し、実際に中1空間図形での教材として使いました。 

 

算額」に挑戦

 

和算を普及する会(NPO和算)が主催する
算額をつくろうコンクール」に応募します。

 

算額とは、
江戸時代の数学者(和算家)や一般の数学愛好家たちが、
問題を創ったり解いたりしたものを、
「絵馬」のようにして神社やお寺に奉納したものです。

問題が解けたことを、神仏に感謝し祈願したと言われており、
全国に当時のものが1000ほどあります。

 

江戸時代の和算のトレンドに倣って、
算額を実際に作って、コンクールに応募するというものです。

 

【概要】
・自分で問題を作り、その問題と解答を1枚の紙に収める(縦書き)
・それを校内選考を行い、コンクール応募する
・良作は、東京での表彰式にて表彰される
  
自分の作った問題が、世に出るかもしれない。
そう考えると、生徒のモチベーションは上がりました。
「コンクール」という名もついていたのですから……

 

実際に賞を受賞して、
東京まで参加した生徒も出ました。

とてもユニークな問題で
こちらも見ていてほほえましくなる問題でした。
……問題をお見せできないのが残念ですが。。。

 

 

ノート1冊課題

 

以前の記事でも紹介しましたが、
ノート1冊を自由に使いなさいという課題です。

 

【概要】
・30枚つづり以上のノートで、内容は数学に関係していれば何でもよい。
・全ページ埋めて提出すること

 

生徒が自分で課題を設定し、
解いていくというものです。
まさに、本当の自由な課題ですね。

 

・教科書や問題集の問題を解きなおす生徒、
・新聞のスポーツ欄からサッカーや野球のデータを引っ張って分析する生徒
・数字の占いについて書いている生徒
・ひたすら作図をがんばっている生徒
統計学や理科の実験・家庭科など、他の教科とのコラボレーションをしてみる生徒
・数学史について調べる生徒

 

取り組んでいる内容は様々で、
生徒の個性が出ていると、当時感心したものです。

 

チェックは大変でしたが、教える側の人間としても、
日頃生徒が何を望んでいるのか、少し垣間見えた気がしました。

 

 

長期休業中課題のまとめ 見えないからこそ準備が大切

 

長期休業中は様々なことができます。
教員としても、その準備は大変ですが、
見えない分、しっかり課題に目的を持って準備しておくべきと考えます。

 

・全体共通の通常の問題
・希望者のハイレベル問題
・いつもとは違う視点から見る問題

 

この3種類を、量については適宜調整しながら、
生徒の数学に関する視野を広げられるよう、


そして、数学に対して、
前向きな気持ちと楽しさを実感してもらえるよう
取り組んできました。

 

あとは、新学期が始まった時に、
思うように進まなかった生徒に対してのフォローが必要になってきます。
こちらは、他教科の状況と連携をはかりながら、
対処をチームで考えるべきかと思います。


長期休業の課題について、2回にわたりお届けしました。
課題づくりの参考になれば幸いです。

 

生徒が課題が出ると喜んでくれる
そんな生徒を、日頃の授業から育てていけるといいですね。
(かなりハードルは高いですが……)

 

【試してみよう】
・希望者のハイレベル問題集は上位者を刺激する
・いつもとは違う視点から見る課題を用意すると、いつもと違う反応が見える
・多角的に生徒を見て、生徒も楽しさを実感できる課題を考えてみよう

 

数学課題の出し方
長期休業編3も公開!

テーマは「課題を出す時期について」
下記リンクよりどうぞ


 

 

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