中1に入って本格的に扱うようになる関数分野。
負の数を学習することにより、座標平面も一気に4倍となり、
しかも負の数は目に見ないため、今一つ様子が分かりにくいという生徒も出てきます。
しかし、1つの数字(xまたはy)さえ決定すれば、
もう1つの数字は自動的に決定する。それが関数です。
ですので、文字を2つ同時に考えるのではなく、
2段階で考えると思えば、とらえることがぐっと楽になります。
教える側からすると、
いつもの板書だけではなく、何かアイテムが欲しいところかもしれません。
私は、マグネット式のホワイトボード(ロール式)+ホワイトボードマーカー
あるいは、PCを持ち込んでプロジェクタを使って、説明の補助をしていました。
この実践は後々紹介していきたく思います。
それでは、単元の概要について触れていきましょう。
比例
最初はいつものごとく、数学村専門用語を押さえていくことになります。
比例、比例定数、変域、座標、座標軸、原点、x軸、y軸…
書き出すだけでもたくさんありますね。
高校卒業まで、ずっと長いお付き合いとなります。
教える際も、1つ1つの専門用語の意味を、きちんと説明していくことが必要です。
色を変えながら、PCなども使いながら、楽しく学習してもらうことがポイントです。
この分野は、遊びながら学べますからね。
比例の直接的な内容は、基本は小学校で学習しているので、
割とすんなり入ってくる生徒も多いかと思います。
ただし、導入部分でも書きましたが、やはり、負の数についてはなじみのないところ。
この部分まで拡張して理解していくことが、一つのカギとなります。
負の数を利用した関数の例なども、用意しておくといいですね。
例:気温、緯度や経度など
グラフそのものは直線を延長させるだけなのでさほど問題はないかと思います。
反比例
中学ではここでしか登場せず、次回の登場は何と高校数学の終盤となる、
しかも、理系の人しか扱うことのない部分。
比例の付属的な扱いでも問題はないかと思いますが、
直線ではないグラフですので、点をプロットし、
それらを滑らかな曲線で結ぶ練習は必要になってこようかと思います。
また、負の数の登場により、双曲線となり、反対の象限でのグラフも登場します。
かき忘れのないように、注意して身に着けたいところです。
教える側からしても、グラフをかくというところでは、時間をかけてじっくりと説明や実践をしてもらいたいところです。
比例と反比例の利用
利用部分では、文章題がほとんどで、
正の数について主に理解ができていれば十分です。
しかし、グラフの具体的な見方については時間をとってしっかりと押さえておきたいところ。
ポイントは
比例、反比例どちらになっているか
→比例定数(=単位量当たりの変化量)
を押さえるところとなります。
割合でも出てきた「単位量当たりの変化量」この意味を再度確認しておく必要があります。
必要があれば、小学校の割合の復習から再度確認してみてもいいかと思います。
また、グラフの見方しだいでは、方程式よりもはるかに見やすく解答がわかるというすばらしさも同時に伝えたいところです。
ここの分野での生徒へ残す印象は、教員の力量が問われますね。
最後に
比例反比例単独の単元としてとらえればさほどハードルは高くないかもしれません。
しかし、比例→1次関数、反比例→曲線のグラフ と、
今後に大きくつながっていく分野でもあります。
中高一貫校などでは、この単元の後、体系的にすぐに1次関数に取り組むところもあります。
あとは、方眼用紙を用意させたり、こちらが用意したり、
普段の大学ノートではなく、何かしらの工夫は必要かと思います。
私は、方眼プリントを大量に印刷して、教室に置いていました。
ご自由にお取りください、という形で。
基礎となるこの分野を苦手意識なく身に着けて、
次のステージが待ち遠しくなるような意識へと、持っていきたいところですね。