"教えたい" 人のための「数学講座」

「数学を教えられるようになりたい、楽しさを伝えたい」そう思うあなたのために、教え方や勉強法・やる気の出し方など、ノウハウのすべてを紹介!20年教壇に立ってきた視点、および会社員の視点から、生涯学習にも役立つ話題が満載です。

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数学の夏課題 自由学習の提案(過去の実践例より)

そろそろ夏休みの足音が聞こえてくる季節
夏の課題を作り終えた教員の方、
受け取った生徒の方もいらっしゃることでしょう。

 

私はとある自治体で教員をしていましたが、
今回は、そこで実践した、ある意味実験的な取り組みについて、
その頃の生徒の反応も振り返りながら記載していきます。

 

 

ノート1冊ノルマの「自由学習」

 

さて、その課題の発表です!(笑)

課題…「数学自由学習」
用意するもの…大学ノート1冊(30枚以上のもの)
以上

というものでした。

 

生徒にノート1冊だけ用意させて、
学習内容はすべて生徒に任せます。


内容も、数学に関係している(と思われる)ものであれば何でもOK
ただし、きちんとすべてのページを埋め尽くしていなければ、合格と見なさないというものです。

 

このことを考案したきっかけは、
秋田県の自学ノートのこと、
・勤務していた自治体全体の傾向として、決められた課題が多いことへの不満
からでした。

 

社会に出てから必要な「自己発見学習能力」

勉強は短期的に捉えれば、
定期考査や高校・大学入試の突破が目標かもしれません。


しかし、現在一般の会社人として働き始めて痛感したのですが、
合格目標の学習方法では、会社の中では通用しない!
社会に出て、課題を自分で見つけ、進めていくこと、
これこそが本当の勉強だということです。

 

日々動く数字と、それに対する対策を瞬時に打ち出さなければならない、
生産のための人員を適切に割り出し、計画を組まなければならない、
そのためには、自分から進んで仕組みを確立し、効率化させておかなければならないんです。


もちろん、勉強しておくしかありません。

 

誰も丁寧に教えてくれるわけではありません。
上司も丁寧に教えてくれるというわけではなく、
どちらかというと、「背中を見て学べ」という姿勢。
(この姿勢でも現在の世情からすると困ったものですが…)

 

学校での成績優秀=社会人として優秀 とは限らないのです。

 

発表時の生徒の反応は…

当時、そこまで考えが、正直深く至ってはいませんでしたが、
長期休暇がせっかくあるのだから、
生徒に好き勝手勉強させてみても面白いのではないか…
と思ったのがきっかけです。

 

この課題を発表したとき、困った顔をしたのが成績優秀者
与えられたことは積極的にできるのだが、
自分でやることから考えるということに、面食らった様子でした。


逆に、ニンマリとしたのが、
クラス内ではムードメーカー的な、発想が柔軟な生徒

 

いろいろな質問が出ましたが、
後で結果を書きますので…

さて、どのような結果になったかというと…

 

生徒の取組みの結果

一番多かったものは、今やっている教科書や問題集の解きなおしです。
まあ、これは予想ができますよね。


自分が苦手や再度学習したいと思ったところを見つけ出して解きなおす。
中には添削や、そのときの思いも記載している生徒もいて、
自分自身で弱点を見つけ、そのフォローもできるじゃん!
と感動したことを覚えています。

 

続いては、先の予習やこれまで(前の学年)の復習をしている生徒
先で行う問題を自分で解答を導き出していました。
また、逆に苦手と思われる部分を思いっきり3学年分くらいさかのぼって、
集中的に復習している生徒もいました。
2学期後、すごく勉強が楽になったようで、
成績も安定するようになった生徒が多かったようです。

 

他の取り組み例を挙げていくと…
・家にある貨幣の製造年を全て調べる
・自分で問題を考えて、その答えを導き出そうとする
Jリーグや野球の順位表やそのスコアをつけて、得意不得意のチームを導き出す
・ひたすら立体図形の練習に使う
・作図の練習をする
・数学史について調べる
・サイコロを2000回転がして、確率を導き出す。
 (ちなみに1の目の出る確率が一番高いようですね)
・円周率を5000桁ほどひたすら書く…

 

ちなみに、先ほどのムードメーカーの生徒は、
自信が所属する野球部の練習より、打率や防御率・守備率を計算していました。
これはこれでアリですよね。
実際に数学を使えている例ですので。

 

最後に

日頃の教科書数学を離れて、
時には生徒の思うように、自分でテーマを決めて学習をさせる
その習慣がやがて自学へと流れを作るようになるのでは、
と思わされた、貴重な経験でした。

 

社会に出ると、このような自学自習ができる人材は当たり前なので、
中高生のうちから身に着けておくと、
社会で柔軟に対応できる人材になりますね。

 

よかったらお試し下さい。