2次関数後半戦の山場
2次不等式の登場です。
2回に渡って紹介した、
関数と方程式の関係を最大限に利用すると、
2次不等式が、単にやり方だけではなく、
仕組みから理解できます。
2次不等式は、
最終的には暗記で、機械的に覚えることになるのでしょうが、
亀きち自身は、
仕組みをじっくり理解すべき分野
なのではないかと思っています。
特殊解が出てくるものになると、
途端に解答率が落ちるのが2次不等式の特徴。
原因は、パターンでしか記憶ができていないから。
グラフと方程式(不等式)の意味を
きちんと分かっていれば、
覚えるべきことは
一番最初にまとめる、たった1つのことだけなんです。
教える立場でも、
暗記させて演習となるのでしょうが、
その前に、イメージの植え付けがきちんとできているかどうかで
集団として、応用力に差が出てきます。
さらに、
イメージ解く考え方がしっかり身についておけば、
この先、数Ⅱで扱う「領域」の授業を始めたときにも、
抵抗なく身につけてもらうことができます。
前々回のブログの記事を読んで理解していれば、
すっと入ってきて、なおかつ忘れない分野。
まずはのんびり、
じっくりとお付き合いください。
- 不等式で覚えておく流れは1つだけ
- 2次不等式のお絵描き例1
- 2次不等式のお絵描き例2
- 丸暗記でのまとめ
- 2次不等式のお絵描き例3
- 最後に お絵描き感覚で2次不等式が作業的になる
- 【高校1年生におススメの自習本】
不等式で覚えておく流れは1つだけ
いきなりですが、
2次不等式の根本となる解き方を
まとめの形として示しておきます。
理解してほしいのは基本これだけで、
あとは、
覚えらえれば得ですよという程度のものとなります。
流れは3つ
① グラフをかく
グラフをかくといっても、
頂点を求めるような
めんどくさい計算をする必要はありません。
2次不等式で必要なのは、
x軸との交点の座標。
すなわち、2次方程式です。
2次方程式が解ける(解の公式を用いることも含めて)ことは
必須となりますので、
不安な人は、復習をしておきましょう。
② x軸より上か下か
この②が最大のポイントとなります。
先日グラフと方程式の
恋人同士の関係でお話をしました。
左辺と右辺にそれぞれ「y=」をつけてみた場合、
方程式の解=グラフとx軸との共有点
となるのでしたね。
>0 ならば、y座標が0より大きいので、x軸より上
<0 ならば、y座標が0より小さいので、x軸より下
と考えます。
グラフと方程式の恋人関係の仕組みが
きちんと理解できていれば、
ふむふむと納得できる部分ではないでしょうか。
さらにワンポイントとして、
ケアレスミスを起こしやすいのが、
y=0を含むかどうかです。
これについては、
②の部分でしっかり確認しておいて、
グラフをかくときに●(含む場合)〇(含まない場合)
しっかりと書き残すようにしておきましょう。
ケアレスミスがぐっと減りますよ。
③ 図から解答を導く
結局のところ、2次関数のグラフから
2次不等式の解を求めることになります。
図を見て、矢印を引いて、
それにあたるxの部分の範囲を見ます。
先ほどの●と〇、
どちらになるのかを注意して、
解答を書きましょう。
矢印を引くあたりから、
お絵描きに感覚になればしめたもの。
楽しんで、リズミカルに答えを出すことができます。
これができれば、
解の公式を使うような問題でもOK
特殊な解
「すべての実数」「x=△」「xは▲以外の実数」「解なし」
もグラフより、すべて確認することができます。
もう一度言いますが
お絵描き感覚です!
お絵描きたのしいな♪
と思っていけるように取り組んでみましょう。
では、実際の例の中で、見ていくことにしますね。
2次不等式のお絵描き例1
①
まずは、x軸との共有点の座標を求めるために、
=0として、2次方程式の解を求めます。
その後グラフを考えます。
左辺に注目すると、
グラフ:下に凸
x軸との共有点のx座標:-1,3なので、
上に示してあるようなグラフとなります。
x軸引いて、下に凸なのでグラフをシャッ
共有点が-1と3なのでカキカキ。
これだけでグラフの完成です。
②
次にお絵描きです。
元の式が<0なので、
y座標が0より小さい ⇒ x軸よりもグラフが下の部分
x軸よりそのグラフにめがけて、矢印をピッピッ
そうすると、
-1から3の間が塗りつぶされてきますね。
あとは元の式に=が入らないので、
-1と3の部分は中抜きの〇
③
最後に解答を書いて完了
思ったより簡単だったのでは?
じゃあ、もう1問いきますね。
2次不等式のお絵描き例2
先ほどと不等号が変わっただけです(笑)
① は省略
②
元の不等号が≧0なので、
y座標が0より以上 ⇒ x軸よりもグラフが上の部分
x軸よりそのグラフにめがけて、
矢印をピッピッ
そうすると、
-1より小さい部分と、
3より大きい部分が塗りつぶされてきますね。
あとは元の式には=が入るので、
-1と3の部分は塗りつぶしの●
③
最後に答えをかく
ちなみに、答えのかき方は、
x軸上の範囲をイメージして、
解答のようにかくと分かりやすいと思います。
右辺にxを書いても問題なしです。
丸暗記でのまとめ
ちなみに、
これを丸暗記の形でまとめると、
次のようになります。
因数分解できる形は、
最終的には、これで進めることになると思いますが、
これまでグラフを書いてきた考え方が、
頭に入っているか否かで、
応用問題での感じるイメージが劇的に変化します。
それでは、最後にもう1問いきましょうか
2次不等式のお絵描き例3
2乗の係数が-となっているものです。
教科書では、
2乗の係数を+にしてから解いています。
慣れてくれば、そちらの方が速いと思いますが、
私が紹介したやり方でも、
図的な意味から、解答を見た目で導き出せます。
グラフが上に凸になっただけですからね。
方程式を解いて、グラフを書いて、
不等号に従って矢印引いて、
共有点が解に入るか確認して、
解をかく
本当にワンパターンなんです。
最後に お絵描き感覚で2次不等式が作業的になる
今回の内容は、踏み込んだ形ではありますが、
亀きちが、2次不等式の授業をするときには、
お絵描き感覚になるまで、かみ砕いて説明をします。
1個ずつ紐解いていけば、
それほど難しい作業は行ってませんから。
方程式さえ解ければ、
あとはルールに従ってお絵描きできれば
解が出せるんです。
「お絵描き楽しいな」
このイメージが残れば授業成功!
次回、特殊解の問題をやってみたいと思います。
……とはいっても、今日の内容を繰り返すだけ。
理解できていれば楽勝ですよ。
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