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数Ⅰ 2次関数 判別式 姿を映し出す魔法の鏡

 ↓ あとでじっくり読むときに便利

前回は、2次関数と2次方程式の「密接な関係」を暴露し、
実は2人(!?)は背中合わせの関係であること
を突き止めました。

 

さらに、関係を暴くために、
これまでの復習と、これからの準備として、
2次方程式の解き方、解の公式の使い方を確認しました。

 

今回は、
準備も整いましたので、
さらにこの2人の関係性の暴露に重点を置き、
もっと関係性の中身を、
突っ込んで考えていきたく思います。


…いきなり、授業モードで始めてみました(笑)

 

亀きちが、
この分野を授業するのならということで、

 

2次関数と2次方程式を「恋人関係」になぞらえ、
その関係性の暴露という出だし。

 

少しでも親しみを持って、
授業に入ってもらえるように仕向けた、
導入でのしゃべりでした。


今回は、判別式ということで、
授業例を展開していきたく思います。

 

なお、
私の日頃の授業の流れですが、

① 授業の導入

② 授業のまとめ

③ そのようになる理由

④ 演習問題

というように組んでいます。

 

理由は
②と③を教科書などでは逆になっています。

それでは、
数学が苦手な子などにはゴールが見えない、
そう思っているからです。

 

先にゴールをあらかじめ見せて置き、
その理由を考えさせるという、授業スタンスをとっています。

 

また、最終的には、
数学も暗記となる部分が多いですので、
まずは結論を見せて、
「ここは頭に入れるところ」
「仕組みを理解した人は、じっくりとその後をついておいで」

というように働きかけ、
興味を少しでも持続させるように心がけています。

 

それでは、授業の中身に入っていくことにしましょう。

 

 


では、あらためて……

魔法の鏡 「判別式」登場!


前回は、2次関数と2次方程式の
密接な関係を暴露し、
実は2人(!?)は背中合わせの関係であること
を突き止めました。

 

そして、関係をさらに暴くために、
教養の復習とこれからの準備として、
2次方程式の解き方、解の公式の使い方を復習しました。

 

今回は、準備も整いましたので、
さらにこの2人の関係性の暴露に重点を置き、
もっと関係性の中身を突っ込んで考えていきたく思います。


それでは、さっそく関係性を暴く「魔法の鏡をお送りします。

 

2次方程式と2次関数
「解の個数」と「x軸との共有点の個数」は一致している!

 

では、まとめを作りますね。

 

f:id:math-kame:20200603204454j:plain

今回、おさえておくことのまとめです。

 

二次方程式と二次関数の、
それぞれの係数をa,b,cとしておきます。
そしてD=b^2-4acとおきます。

 

この文字の並びを見て、
ピンと来た人は素晴らしいですね!
これは、2次方程式の解の公式の√の中になります

 

実は、これの符号が「+」か「-」か「0」かで、
解の個数、x軸との共有点の個数がわかるんです。

たった式1つで……


あとは、まとめの下にある※印についても、
ぜひ頭に入れておくようにしましょう。

このような聞き方をする問題もあります。
・方程式で実数解をもつ(解の個数は何個でもよい)
・共有点を持つ(共有点の個数は何個でもよい)
と考えると、頭に入りやすいですよね。

 

では、今日のまとめができあがる理由です。

 

【理由】


しくみはいたって簡単。

知っておく知識は2つ
・解の公式の√全体を、
 一つの数として〇とみること
・「2次方程式の解」と「2次関数のグラフとx軸との共有点」
 のx座標が一致すること

 

このことが分かっていれば、
スッと入ってくる人も多いのでは?


このまとめの内容を、
一発で判断できる魔法のような式、
それを判別式(アルファベットでと表す)と呼びます。

 

式の計算だけなので、
グラフを書かなくても、グラフの様子までわかる
方程式を解かなくても、解が存在するかどうかわかる
魔法のような式ですよね。

 

これからしばらくの間、
この式と深いお付き合いしていきます。

 

覚えやすいと思いますので、
しっかりなじませて、自分の道具にしていきましょう。

 

 

【教員ベースで】


前回の授業案の中で、
「解の公式を何度も唱える」
そのような記述をしました。

 

それは、今回の、
「判別式を覚える手間を省く」
というテーマも隠しています。

 

何度も唱えることで、
この式はすぐに頭の中に入ってくると思います。

 

と同時に、
この式の優位性というものをしっかりアピールして、
魔法のようなすごい式なんだ! 
すごい技術を身に着けているんだ!
という意識を持たせたいものです。


まとめを書いて、説明をした後は、
一気に例題の解説に入ります。
ワンパターンなので、
覚えれば基本的な部分はあっという間に終わりますね。

 

あとは、レベルの高いクラスについては、
√の中が-になるという、
虚数について話をしてもいいかもしれません。

 

実は√の中がマイナスになる、
人間が作り上げた世界がある。
この嘘のような世界を今後学習していくようになる、と。

 

生徒は興味深く聞いてくれますよ。

 

 

2次方程式の解の個数の例題


では、まずはまとめを使ったやりやすい例題から

f:id:math-kame:20200603204458j:plain

f:id:math-kame:20200603204502j:plain



「解の個数」と聞かれたら、
即座に「判別式!」と言葉が出てくるように
合言葉のようにしておきましょう。

 

あとは、判別式に代入するだけです。

 


続いて、もう1問

次は、言葉から判別式を思いつくパターン

 

f:id:math-kame:20200603204506j:plain

 

f:id:math-kame:20200603204510j:plain



解が2つ、解が1つ、解をもたない
それぞれ、判別式Dの符号が出てくるようにしておきましょう。

 

そして、今回の問題は別バージョンで知っておきましょう。


実数解をもつ ⇒ 解は何個でもいいということです。
なので、D≧0というパターンが登場するのです。

 

 

2次関数のグラフと判別式のパターン

 

f:id:math-kame:20200603204514j:plain

 

f:id:math-kame:20200603204518j:plain



「共有点の個数」と聞かれたら、
即座に「判別式!」と言葉が出てくるように
合言葉のようにしておきましょう。


ん?似たセリフ、どっかで言ったような……(笑)

 

 

最後にちょっとした応用問題

 

f:id:math-kame:20200603204521j:plain


この問題は、判別式に当てはめると、
文字が入るので、正負が分からなくなります。

 

分からない ⇒ 分かるようにする


すなわち、
それぞれの状態による「場合分け」ということになります。

 

判別式のパターンは3種類あったので、
場合分けも3パターン登場することになります。

1つずつ、落ち着いて解答しましょう。

解答例を示しておきますね。

f:id:math-kame:20200603204525j:plain

 

 

最後に 魔法の鏡はまだまだ使える

 

判別式そのものは、
2次方程式や2次関数の姿を映し出すことのできる
魔法の鏡。

覚えやすいし、とても便利なものです。


ただ、応用になるとかなり幅が広くなるので、
今回の授業例辺りの範囲を、
まずは確実にできるよう、
何度も読んで、イメージを掴んでおきましょう。

 

このあとの2次不等式にすぐにつながっていきますし……


今回はここまでです。
お疲れ様でした。
(^^)/

 

 

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