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数学授業力向上 「生徒の能力UP」は「褒める」ことにあり

 ↓ あとでじっくり読むときに便利

前回の記事でもお話ししましたが、
授業の真の主役は「生徒」です。

 

その生徒の活動を引き立たせ、
能力を十分に発揮できるような舞台を用意し、
授業を進行していく、
これが教える側の役割ではないかと思います。

 

今回は、生徒の活動を引き立たせるために、
教員が心がけておくことを、発言を中心にまとめてみました。

 

 

 

 

すべては「やる気」を出させるために

生徒が自分の能力を出すために、能動的に活動するためには、
生徒自身の気持ちが、前向きになる必要があります。

 

前向きになれば、
1のことを2や3にまでレベルアップさせて理解してもらうことも可能ですし、
逆に後ろ向きな場合は、
1のことが半分以下しか伝わらないこともあります。

 

授業で教室に入った瞬間の生徒の雰囲気を把握し、
授業中に1人1人の反応を見て、
教室全体の空気を読んで、
そのときに、生徒にやる気が出るような一言や演技ができるといいですね

 

私は、授業の最初は全体への発言で、
前向きになれるような一言を心がけています。
「今日は○○の知識を身に着けることができる。みんなはなんて幸運なんだ!」
と、オーバー気味に(笑)

 

 

褒めることは 伸びるための第一歩

 

私は生徒に発言してもらった際には、
必ずいいところを見つけて、褒めるようにしています
たとえ、発言時の解答や考え方が間違っていたとしても。

 

ちなみに、私の授業では、ちょくちょく次の言葉を投げかけています。
「授業は、間違えてもいい場所。間違うことは恥じゃないよ」
「聞けなくて、後でテストで後悔するほうが恥だよ」

 

また、発言でしどろもどろになってしまった生徒に対しては、
状況により、次の言葉を投げかけることがあります。
「間違ってもいいから、思い切って何か言ってみようか」
「分からないんなら、ボケなさい(笑)」←使う生徒は絞られます

 

さらに指名してから、4秒ほど詰まってしまった場合には、
質問を変えるようにしています。
「ちょっと答えにくかったかな。ヒントを出すからね」
「段階を追って考えてみようか」
あるいは、実生活などに置き換えて、ガラッと質問を変えることもあります。

 

そして、発言が終わった後には褒める!
「大きい声でありがとう」
「お、さすが!」
「クールな考え方じゃん!」
「じっくり考えてくれてありがとう」
「ナイスボケ!」
「●●までは理解できているね。よかったぁ」
「なるほど、そこには気づかなかった!」
などなど。

 

そして、考え方や発言があっている場合には、生徒の発言を繰り返して言います
「さっき、●●さんが言ったように△△の考え方を用いようか」
といった感じで。

 

生徒が授業に参加しているという印象は、お持ちいただけましたでしょうか。
生徒自身も、何を言ってもマイナスになることはないので、
間違っていたとしても、思い切った発言をしてくれます。

 

褒める→能動的になる
授業を理解してもらうために、
教員がとるべき名脇役の第一歩ではないでしょうか。

 

 

活動をする際に働きかける「促す言葉」

次に生徒に活動をさせるときの名脇役の考え方です。

 

私は、活動や実験をするときには、
最初は必ず失敗をしてみせます。

 

教室内で、雰囲気が悪いときにはボケることもあります。
生徒の注意を引いて、盛り上げるために(笑)


促すときに意識していること
・やれば●●のようないいことや、新しい発見があるかも
・ゲーム感覚
・班内や個人戦での競争

など、能動的に取り組めることを意識しての促しを心がけています。

 

例えば、プリントを1人で解く場合
「このプリントで、2次関数の平方完成の方法が身についているかチェックができます」
「わからなかった人も、ここで確認できるのでラッキーと思いましょうね」

 

班内で解く場合
「分からない人は、分かる人にがんばって質問してみましょう」
「もっとスピーディに解答を導く方法がないかな?」
「よりエレガントに、美しい解答の書き方を考えてみよう」
「解答に自信がある班は先生を呼んで!」
など……

 

前向きに取り組むよう目的や、指針を示す。
あるいはゲーム感覚でタイムやスコア(よりスマートな解法)を競わせるなど、
生徒の脳の血管を広げてもらうイメージで、働きかけを行っています。

 

 

発問のタイミング

私は、自分が説明しているときには、
小さな質問ならともかく、
話の流れを遮るような質問には答えません。

 

一番最初の授業にて、宣言をしています。

また、問題を板書に書いて説明するときには、
生徒をこちらから指名しながら進めます。

 

時間的に手を挙げさせり、
迷っている時間がもったいないのと、
生徒にいつ当たるかもしれないという、緊張感を持ってもらうためです。

 

質問の仕方についても、
これは、皆さん実践されているでしょうが、
「○○の考え方についてどう思いますか?○○さん」
というように、必ず名前を後にします。
誰にあたるかわからないという、一種の緊張感を持たせるためです。

 

発問から指名までの数秒間ですが、生徒は一生懸命考えます。
その細切れでも脳をフル回転させることが、
能動的な活動につながると考えています。

 

もちろん、発言に対しては、先ほども記載しましたが、
必ず褒めます。
褒めて褒めて褒めちぎることもあります!
ですので、指名されたとしても、生徒が臆する場面はさほど多くないように感じます。

 

最後に

授業の主役である生徒を前向きにさせるため、
教員がバックアップできる役割はたくさんあります。

 

生徒の反応を予想しながら、
前向きな会話をたくさんしながら、
盛り上がる授業がたくさんできるといいですね。

 

そして、チャイムとともに生徒が
「え?もう終わったの?」
と言ってもらえるような、授業ができれば最高ですね。