"教えたい" 人のための「数学講座」

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数学B 概要 すべての道は「始点(最初)」にあり

 ↓ あとでじっくり読むときに便利

高校2年生が中心に取り組む数B。
内容もいよいよ高度となってきます。
3単元のうち、2単元を履修することを前提としている単位構成となっていますが、
確率分布はさほどレベルが高くなく、
式の意味さえ理解できれば、取り組みやすい内容となっているので、
生徒にとっては独学でも進められる分野ではないかと思います。

授業では最初の動機づけと、理解がとても大切になります

では、数B初回授業時のガイダンスについて触れていきます。

 

確率分布と統計的な推測

確率分布

 

ここでは、数Aで学習した確率をちょっと発展させていきます。
一般的に文字に落とし込んでいきます。

基本は数Aで出てきた確率が求めることができれば問題ありません
表に落とし込み、所定の計算に当てはめていくだけです。

カギとなるのは、数値で求めることのできる確率を、
一般的な式の中に落とし込んで、文字として理解できるかどうかになります
そのハードルさえクリアできれば、大丈夫です。

中盤から、分散や標準偏差という聞きなれない専門用語が登場しますが、
これについては、日頃テストで表されることの多い「偏差値」をゴールとして、
そこまで計算で求める中継地点に分散や標準偏差があると思い、
理解・クリアーしていきましょう。

式そのものはややこしく見えますが、要はちらばり具合を統一化させるという画期的な方法です。
後ほどの統計学でも使いますので、ここできちんと理解しておくと楽ですよ。

正規分布

大量のデータを取り扱うとき、
そのデータを集計していくと、ある曲線に限りなく近づくとされています。
それを正規分布といいます。

正規分布を元にして、ある条件を満たす個数がどれだけあるとか、
工場での生産上の不良率はどのくらいになるとか、
計算でおおよその数を求めていきます。

ざっくりとでも計算で分かるってすごいですよね。

統計的な推測

確率を連動させて、本格的に統計学に入ります。
基本的な考え方は、確率分布を理解できていれば問題ありません
用語もほとんど同じものが登場します。

正規分布の信頼度に応じて、標本の母平均に対する範囲を推定したり、
信頼の幅を推定したりします。

与えられた式に忠実に値を放り込めば、大丈夫!

数列

数列とその和

 

数が規則性をもって並んだ列、これが数列です。
最初はその中の基本に当たる、等差数列、等比数列について学習します。
例えば、「1,3,5,7…と続く数列の1000番目は?」
などを、計算で求めていきます。
さらに「この数列の1000番目までの和はいくつ?」
も公式を通して学習していきます。
公式の成り立ちから、じっくりと理解していきましょう。

ここは、最初の理解が肝心となります。
すべてが後につながります!

また、数列に関するエピソードはたくさんあります
授業の中でもそれらを使ってお話しできればいいですね。

等差数列と等比数列を元にして、それ以外の数列についても学習します。
たくさん書くのを簡略化するための記号Σ
ぱっと見で分からない数列だが、2項間を見ると規則性が見えてくるもの(階差数列)
等差数列と等比数列のミックス問題
部分分数分解(ゴロがいい(笑))の問題など…

仕組みが分かっていれば(1回学習して、引き出しを開けられるようにしておけば)、
パターン化できるものばかりです。
計算過程で、数列がどんどん簡略化されていく面白さを味わってくださいね。

漸化式と数学的帰納法

「2項間の関係式」⇒「一般項」を求めていくところです。
いろいろなパターンが存在しているので、全部覚えようとすると頭が痛くなるかも。
とりあえずは、基本の等差数列と等比数列についての漸化式を理解して、
そこから徐々にステップアップしていきましょう。

数学的帰納法というのは、初めて学習する証明法。
名付けて「ドミノ倒し証明法」
全部のドミノを倒すにはどこを倒せばいいのか、
実は「最初」と「途中2か所」だけ倒れればいいんです。
それを意識して、すべてのドミノが倒れていく快感を実感しましょう。

ベクトル

平面上のベクトル

ベクトルというのは、「向き」と「大きさ」を持った線分のこと。
今までは大きさだけを考えて計算していましたが、考え方が2次元へと進化します。
2本以上のベクトルの和・差・実数倍をまずは学習します。

さらにベクトルを座標平面の中に落とし込んでいきます
すると、さらなる発展がみられるようになります。
…てか、ベクトルの計算がすごく簡単になるんです。

後半は、位置ベクトルの考え方。
内分、外分、重心などもベクトルを使って考えていこうというものです。
ポイントは「始点」
これをしっかり1か所に固定することができれば、解決の糸口が見えてきます。
始点を定めて、そこをスタートにしてすべての場所をベクトルで表す
その練習を積み重ねていきましょう。

空間座標とベクトル

2次元の平面から、3次元の空間へとバージョンアップします。
本格的な空間についての授業は中1以来となります。
中学校の復習を最初は初めてもいいかもしれません。

基本は平面ベクトルと何ら変わりません
次元が1つ上がっただけです。
…ということは、空間をいかに平面的に考えられるかがポイントとなります。

そのためにも、空間を切り取る訓練、平面に落とす訓練、
空間をイメージする訓練をたくさんするのがいいと思います。
繰り返しますが、不安なら中1の空間図形を見直してみることをお勧めします。

最後に

新しいものも出てきますが、数Bでは、
基本となる部分(始点)をしっかり身に着けることがポイントとなります。
最初の部分がきちんと理解できているかどうか。
ですので、授業では、最初に重点をおいてしっかりと個々の状況を把握していきたいところです。

あとはイメージ力をつけるための教材等用意できるといいいですね。
この辺りは、中1の空間図形でも紹介するアイテムを披露したく思います。