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自主性の育成法、教育者が持つ裏の考え(オシム元監督の指導法より)

 ↓ あとでじっくり読むときに便利

みなさんが勉強するときや、教えるときに、
自分なりのポリシーや、哲学は持っていらっしゃいますか?

また、それを貫き通すことはできますか?

 

私の大好きな監督の一人に、
イビチャ・オシムさん(サッカー)がいます。

 

かつて日本代表監督(2006年~2007年)をされた方で、
誰にもどこにも、一切媚びることなく、
独自の哲学で、瞬く間に日本サッカーの底上げをした功労者の1人です。

 

今回は、彼の考えや哲学を引用しながら、
それを、授業や勉強の中に落とし込んでいきます。

 

 

 

 

イビチャ・オシムの哲学と語録より

彼の哲学は、
「考えながら走るサッカー」

この哲学に反する人は、試合でも使ってもらえませんし、
日本代表にすら召集されませんし。

 

練習方法も、大変工夫されたものであり、
当時の選手は、
「体も疲れるが、頭も疲れる」
と言っていたほどです。

 

オシムさんには、たくさんの語録が残されています。
その一部を一緒に見ていきましょう。

 

「人の頭ではなく、自分の頭で考えなければならない。」

 

「トップクラスの選手は、シンプルにプレーするものであり、それが一番美しい。」

 

「監督というものは、常に何がうまくいっていないかを探さないといけない。私はブラシのようなもの。常にホコリをはらうことをしないといけないのだ。」

 

「厳しい状況に追い込まれるほど、選手は問題を解決しようと努力し、発想が豊かになるものだ。ゆえに悪条件下では、メンタルフィットネスの準備がとても重要になってくる。」

 

「リスクを冒して失敗したらそれは褒めてやった。その代わり、同じ失敗は繰り返すなよ、と言った。そうすると選手は成長する。」

 

「ゲームに負けることはある。ただ負けるにしても自分たちのプレーをやりきって負けるのと、そうでないのでは大きな違いだ。」

 

「リスクを負わないチャレンジはない。そういう日本人に欠けている哲学の部分を埋めたいと考えていた。」

 

「日本の最大の長所は機敏性である。私が日本代表監督に就任した際、それを最大の武器として期待し計算していた。実際、(中略)それは、世界が「まるで忍者のようだ」と表現するほどのものだった。」

 

一つ一つ、考えさせられませんか?


今回、これらの名言の中から、
・自分で考えること
・監督(授業者)としての心構え
・分析すること

この3点を踏まえて、授業運営などに落とし込んでみましょう。

 

 

「自分の頭で考えること」
→自主性をはぐくむ

自分の頭で考えること、
それは、他人から指示されるものではなく、
自らが考え、実行していくこと。

いわば「自主性」にあたるものかと思います。

 

勉強は、人から指示を受けてやるときと、自らが行うときでは、
そのモチベーションと結果では、雲泥の差となって表れます。

 

また、結果を出す生徒は、自らの勉強法を確立させており、
その方法も(本人の中では)シンプルなものが多いのが特徴です。

 

すなわち、学習する上での軸を、きちんと持っています。

 

教える立場としては、
そのような生徒の学習法やノートなどから、
クラス全体に紹介をして、モチベーションを上げることにより、
クラス全体にも、その考えが波及するのではないかと考えます。

 

 

「私はブラシのようなもの」
→授業者としての心構え

「監督というものは、常に何がうまくいっていないかを探さないといけない。私はブラシのようなもの。常にホコリをはらうことをしないといけないのだ。」

先ほども記載しましたが、私はこの言葉が大好きです。

 

全体としてうまくいっているときには、
その中でもうまくいっていないことは何か

全体がうまくいっていないときには、
その中でもうまくいっていることは何か

 

私は、授業ではいつもこのことを考えるようにしています。

 

目立つポイントや雰囲気を探すことは簡単ですし、
どのような授業者でもつかむことは、
さほど難しいものではありません。

 

しかし、うまくいっているときにこそできるアドバイス
逆に、うまくいっていないときだからこそできる褒めること、
これができるのは、
1人1人をよく見ている授業者ではないかと思うのです。

 

毎回の自身の授業の振り返りとして考えてもかまいません。

生徒の定期考査などでの振り返りのアドバイスでも構いません。

 

どのような状況においても成長できるような一言を、
授業者は持っておくべきなのではないかと考えます。

 

そして、該当生徒やクラス全体が、
この後で、前向きに活動できるようになれば、
教員としても、この上ない喜びとなるでしょう。

 

 

「日本人として欠けている哲学」
→生徒にあったアドバイス

オシムさんは、日本人の長所・短所を的確にとらえていました。
アドバイスの対象は、選手だけでなくマスコミに向けられたこともあります。

 

授業者としても、生徒1人1人の特徴や、
性格を活かした勉強法のアドバイスも、できるのではないかと考えます。

 

【例】
計画を立てることが好きな生徒
→計画を立てられることを褒めて、
 詰め込む傾向があれば、空き日を作るよう配慮する

しっかり発表する生徒
→授業でのリーダー役を買ってもらい、
 時には先生として前に立ってもらう

表情が暗い生徒
→ノート提出などでコメントを書き、安心感を与える。
 また、相談がありそうなときは、その準備をしておく。


私が教員をしていた時には、
誰がどの問題を正解し、間違えていたのかをすべて記録していました。
全ての問題の小問ごとに統計をとるのです。

 

そして、定期考査の振り返りのとき、
一言アドバイスとして活用していました。
1人200字ほどになることもありました……)

 

データは蓄積することによって、長短所が明確に見えてきます。
・思考力が優れている生徒
・計算力が高い生徒
ケアレスミスや見直しが苦手な生徒 など……
生徒へのアドバイスに困っている先生がいらっしゃったら、参考にしてみて下さい。

 

 

まとめ 自主性の育成と授業者としての心構え

イビチャ・オシムさんは、独自の哲学を持った名指導者。
その一言一言は、すごくセンセーショナブルで、
当時は衝撃を受けました。

 

私も、授業の中に積極的に取り組み、
「へそ曲がり」のイメージで、
良いときには、改善点を
悪いときには、その中でもいいところを
そう心がけて、声掛けや雰囲気づくりをしたものです。

 

集団全体が、常に前向きでいられるよう、
モチベーションの高い、雰囲気づくりの参考になれば幸いです。

 


【試してみよう】
・勉強を自ら進んでやるために必要なことを考えてみよう
・「へそ曲がり」を意識して、いつもピリッと前向きな集団にしてみよう
・データを細かくとって、1人1人にアドバイスできる人になろう

 

 

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